スクラッチでプログラミングをはじめよう!簡単な作品の作り方を紹介します

スクラッチ プログラミング 作り方 (19)

Scratch(スクラッチ)」という名前を聞いたことはありますか?

日本の小学校で最も多く使われているプログラミング教材で、世界中に利用者が多くいます。

でも、「プログラミングって難しいんじゃないの?」って思っている人も多いですよね。

そんなプログラミング学習の最初のハードルをクリアしてくれるのが「スクラッチ」

 スクラッチを使うと、小学生でも簡単なゲームやストーリーから、本格的なゲームやアニメーションまで幅広く作ることができます。

スクラッチ プログラミング(2)

そこで、今回は「スクラッチ」の使い方・おすすめポイント・簡単なゲームの作り方を紹介します

目次

スクラッチというプログラミング教材の特徴

マサチューセッツ工科大学(MIT)が開発

「スクラッチ」はマサチューセッツ工科大学(MIT)、メディアラボのライフロング・キンダーガーテンというグループが開発したプログラミング言語。

現在は最新版のバージョン3.0が利用できます。

【10歩進む】や【「こんにちは!」と言う】などのコードがあらかじめ準備されているので、子どもでも分かりやすい教材です。

スクラッチ プログラミング(3)

また、スクラッチには、プログラミングスキル以外に、創造性を伸ばせるというメリットもあります。

スクラッチを開発したミッチェル・レズニック教授は、【Creative Learning】(創造的な学び)という教育理念を提唱しています。

スクラッチは、この【創造的な学び】が、継続的にできるように設計されています。

ミッチェル・レズニック教授の論文に書かれている「創造的な学び」について、紹介します。

  • 何を作るかを想像する(Imagine)
  • 想像したものをつくる(Create)
  • 自分で遊ぶ(Play)
  • 友人や家族に共有したくなる(Share)
  • 様々なフィードバックを得ることができる(Reflect)

①~⑤を繰り返す、このようなスパイラルを【Creative Learning Spiral(創造的な学びのスパイラル)】と言います。

スクラッチでは、オンラインコミュニティ機能を使って、このような学びになるよう設計されているのです。

参照:media.mit.edu

ブロックを並べるだけの【ビジュアルプログラミング言語】

「スクラッチ」はなんといっても、ビジュアルプログラミング言語であることが最大の特徴

プログラミングと聞いて思い浮かぶのは、英語の羅列。

スクラッチ プログラミング(4)

「これを見るとパソコンを閉じたくなる!」という方も多いと思います。

従来のプログラミング言語では、英語の羅列が難しいことが大きなハードルになっていました。

ビジュアルプログラミングの場合、文字が書いてある【ブロック】を移動するだけで、コンピューターに指示を出すことができます。

スクラッチ プログラミング(5)

そのため、直観的に動作を理解しやすいのです。

スクラッチでは、左にあるブロックを、中央にドロップ・ドラッグして並べるだけで、キャラクターを動かせます。

これにより、英語が苦手な方や低年齢の子どもにも非常に始めやすいのです。

また、無料であることもユーザーの認知度を高める理由になっています。

プログラミング教育必修化で注目

2020年度から小学校でプログラミング教育が必修になりました。

プログラミングは必修化により、年々注目度が上がっています。

そして、「スクラッチ」はその直観的な分かりやすさから、プログラミング教材として最も活用されています

小学校でも、Scratchを使った色々なプログラミング学習が行われています。
(例)算数の時間にスクラッチで正多角形をかく

実際に、文部科学省などのサイトで実施例を見ることができますよ。
参照:小学校を中心とした プログラミング教育ポータル_文部科学省、総務省、経済産業省

また、スクラッチを用いた学習番組「Why!?プログラミング」(NHK)も放映されており、過去の配信も見ることができますよ。

スクラッチのブラウザ版とダウンロード版

Scratch3.0はブラウザ(オンライン)でも、ダウンロード(オフライン)しても使えます。

ブラウザ版は、公式サイトの上部にある「作る」のタブを押せば、すぐに始めることができます。

>>スクラッチをオンラインで使用する

また、ダウンロード版(オフライン)は公式サイトからダウンロードでき、無料で使えます。

Windows/MacOS/ChromeOS/Androidの各バージョンが用意されています。

>>スクラッチ公式サイトでダウンロード

ちなみに、ブラウザ版を使う人の方が、圧倒的に多い印象です。

スクラッチの基本的な使い方

今回は、日本人向けの背景やスプライトが多い【アルスタジオ】を使って説明します。

アルスタジオは、スクラッチと操作はまったく同じなので、スクラッチで作成する場合でも参考にしていただけます。

まず、起動すると、次のような画面になります。

スクラッチ プログラミング 作り方 (1)

主な画面説明

  • 左上:地球マーク(言語選択)、ファイル(保存/読み出し)
  • 左端:ブロックのカテゴリ
  • 左端2番目:ブロックの種類
  • 中央:ブロックを置くところ
  • 右上:スプライトが実際に動く様子を確認する画面
  • 中央右下:スプライト(キャラクターや物など)選択
  • 右下:背景選択

長方形のジグゾーパズルのような形のものが「ブロック」です。

ブロックを中央にドラッグして縦につなげることで、「動作の順序」を指示します。

最初は、「どこに何があるか覚えるのが難しいなー。」と思う子もいます。

でも、大丈夫!やっていけばすぐに慣れていきます!

例では、恐竜のアルくんが表示されています。

まず、このアルくんを動かしてみましょう。

アルくんを動かすための手順を解説します。

スクラッチ プログラミング 作り方 (18)

手順

  • 「イベント」から「緑の旗がクリックされたとき」を中央にドラッグ
  • 「動き」から「○歩動かす」を中央にドラッグして、下につなげます。
  • ○に「100」と記入。
  • 「緑の旗」を押して実行します。

右上の緑の旗を押すと、アルくんが右に動きました。

同じように他のブロックも配置すると、ブロックに書いてあるように動かすことが可能。

例:「こんにちは」と言う

スクラッチ プログラミング 作り方 (3)

これがはじめの一歩です。次の章からは、簡単ゲームの作り方を解説します。

スクラッチ作品例|簡単サッカーゲームの作り方

まずは、簡単なサッカー(PK)ゲームを作ってみましょう!

1つ目は、「ボールとキーパー」のサッカーゲーム、

2つ目は、「ボールとキッカーとキーパー」のサッカーゲームを紹介します。

サッカーゲーム①|ボールとキーパーのプログラムを作ろう

こちらの簡単なゲームから作っていきましょう!

まずは、背景とキャラクターを選びます。

  • 背景を選ぶ:画面右下の【背景マーク】を押す
  • スプライト(キャラクター)を選ぶ:画面右下の【ネコマーク】を押す
スクラッチ プログラミング 作り方 (4)

このゲームでは、背景のページから、「Soccer」と書かれている画像を選びました。

スクラッチ プログラミング 作り方 (5)

そうすると、背景がサッカー場になりました。

スクラッチ プログラミング 作り方 (6)

次に、キーパーとサッカーボールのスプライト(キャラクター)を右下のネコマークから追加します。

キーパーは、「アルごん」を選択します。

スクラッチ プログラミング 作り方 (7)

ボールは、「サッカーボール」を選択します。

スクラッチ プログラミング 作り方 (8)

すると、画面はこのようになります。

スクラッチ プログラミング 作り方 (19)

右端のエリアに、キーパーとボールがあらわれました!

ここからは、キーパーとボールに動きをつけていきます。

キーパーのプログラム

キーパーのプログラムは、次のように作っていきます。

緑の旗が押されたとき、キーパーが左右方向に動きつづける

右下のキーパーのスプライトを選択し、ブロックを次のように並べます。

スクラッチ プログラミング 作り方 (9)

並べたブロックの意味を詳しく解説していきます。

  • 「大きさを80%にする」:キーパーを小さくする
  • 「90度に向ける」:右方向に動かす
  • 「ずっと」、「10歩動かす」、「もし端についたら跳ね返る」:端についたらはね返り、左右に動き続ける
  • 「回転方向を左右のみにする」:キーパー自身が回転しないようにする

これでキーパーのプログラムは完成!

緑の旗を押すと、「キーパーが左右に動き続けること」を確認できます。

次に、ボールのプログラムを作っていきます。

ボール

ボールのプログラムは次のように作っていきます。

  • 緑の旗が押されたとき、ボールを所定の位置に置く
  • ボールを押した(クリック)とき、ゴールの方へ動くようにする
  • キーパーに触れたら「残念!」と言う
  • ゴールまで届いたら、「ゴール!」と言う

ここでは、ボールのスプライトを選択し、ブロックを次の画面のように並べます。

スクラッチ プログラミング 作り方 (10)

ちょっと難しそうですが、一つ一つは簡単なコードなので、詳しく確認していきましょう!

スクラッチでは、X座標とY座標を指定することで、場所を指定することができます。右下のX座標とY座標を変えれば、どの値でどこの場所になるかを確認できます。

スクラッチ プログラミング 作り方 (20)

XとYの場所を指定して、「旗が押されたとき」、いつも同じ位置に戻るようにします。

スクラッチ プログラミング 作り方 (21)
  • 「X座標を0、Y座標を-130にする」:ボールを所定の位置に置く
  • 「0度に向ける」:ボールを上方向に動かす

これで、サッカーボールの最初の場所が決定!

次は、サッカーボールをクリックしたときに、サッカーボールがゴールの方へ動くようにします。

このとき、キーパーに取られたら「残念!」、ゴールできたら「ゴール!」とでるように、ブロックを並べていきます。

ここでは、「このスプライト(サッカーボール)が押されたとき」からを解説します。

スクラッチ プログラミング 作り方 (22)
  • 「ずっと」「10歩動かす」:ボールをゴールの方へ動かす
  • 「もし端に触れたなら」「ゴール!と2秒言う」「すべてを止める」:ボールが端に触れたら「ゴール!」と言い、すべて止まる
  • 「もしアルごんに触れたなら」「ざんねん!と2秒言う」「すべてを止める」:ボールがキーパーに触れたら「ざんねん!」と言い、すべて止まる

これで、完成です!

緑の旗を押したあとに、ボールを押すと、すべての動きを確認することができます。

ボールがキーパーに触れたら「ざんねん!」と表示され、ボールが端までいくと、「ゴール!」と表示されます。

これでサッカーゲーム①は完成!

次の章からは、キッカーを増やしたゲームの作り方を解説します。

サッカーゲーム②|キッカーを増やそう

今度は、キッカーを増やした「サッカーゲーム②」の作り方を解説します。

ゲーム②は次のように作ることにします。

ここでは、競技場(Playing Field)の風景を選びました。

スクラッチ プログラミング 作り方 (11)

次に、キッカー「ベン」・キーパー「アルごん」・「サッカーボール」のスプライトを追加します。

スクラッチ プログラミング 作り方 (12)

すると、画面は次のようになりました。

スクラッチ プログラミング 作り方 (13)

では、それぞれのスプライトの動きをつけていきます。

キーパー

今回は、キーパーが【上下方向に自動で動く】ようにします。

まずは、キーパーのスプライトを選択し、ブロックを以下の画面のとおり並べます。

スクラッチ プログラミング 作り方 (14)

並べたブロックの意味を説明します。

  • 「0度に向ける」:キーパーを上方向に動かすときに使う
  • 「回転方向を左右のみにする」:キーパーが回転しないようにする
  • 「大きさを80%にする」:ボールに合わせてキーパーを小さくする
  • 「ずっと」「10歩動かす」「もし端に着いたら、跳ね返る」:端についたら跳ね返り、上下に動き続けるようにする

ちなみに、ここで、キーパーの動きがゲーム①とちがうのは、「0度に向ける」だけです。

緑の旗を押して実行すると、「キーパーが上下に自動で動くこと」を確認できます。

キッカー

次はキッカーに動きをつけていきます。

キッカー「ベン」のコスチュームを確認すると、はじめからいくつかのコスチュームが用意されています。

今回は、ける前に「ベンa」とける瞬間に「ベンb」を使います。

スクラッチ プログラミング 作り方 (15)

ベンの動きは、次のようにします。

  • 旗を押すと、所定の場所(X座標:-150,Y座標:0)に移動する、コスチュームはベンa
  • キッカーをクリックすると、ボール(X座標:-50,Y座標:0)まで走る、コスチュームはベンb
  • ボールまで走ったら、シュートする

この動きをさせるためにブロックは次のように並べます。

スクラッチ プログラミング 作り方 (16)

ここでは、ベンが触れたらボールを動かすために、新しいメッセージで「シュート」を作り、「シュートを送る」というブロックを並べました。

スクラッチ プログラミング 作り方 (16)

ボールのコードで、「シュートを受け取ったとき」というブロックを使うと、ベンにボールが触れたと同時にボールを動かすことができます。

キッカーとキーパーを動かすところまでできました!

最後に、ボールのコードを作っていきます。

ボール

ここでは、「ベンがボールに触れたとき、ボールが右方向に動く」ようにします。

ボールのスクリプトを選択し、コードを次のように並べます。

スクラッチ プログラミング 作り方 (17)

並べたブロックを説明します。

  • 「シュートを受け取った時」:ベンがボールに触れたとき
  • 「X座標を0、y座標を-30にする」:所定の位置にボールを置く
  • 「90度に向ける」「ずっと」「20歩動かす」:ボールを右方向に動かす

あとは、ゲーム①と同じように、キーパーに触れると「ざんねん!」、画面右端にたどり着くと「ゴール!」と判定されるようにブロックを並べています。

これで完成です!

他にも、【簡単マリオ風ゲームの作り方】・【簡単シューティングゲーム】の作り方を紹介していますので、参考にしてください。

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スクラッチ プログラミング 作り方 (23)

今度は、動画でScratchのプログラミング例を紹介します。

簡単な【シューティングゲーム】の作り方を動画にしました。

【サルが飛んでくるボールに当たらないように逃げるゲーム】です。

4本の動画に分けて、解説します。

1本目:【背景とキャラクター選び】

2本目:【矢印キーでサルを上下に動かす】

3本目:【ボールが地球からサルに飛んでいく】

4本目:【ボールがはしに当たったら地球に戻る・サルに当たったらゲーム終了】

こちらは、初心者でも簡単に作れるシューティングゲームです。

動画を参考に作ってみてください。

オンライン校で
スクラッチのゲームを作ろう

キッズプログラミング教室アルスクールのオンライン校では、スクラッチを使ったレッスンを行っています。

子ども達は、自分で考えたゲームを創作するなどして、想像力を思いっきり広げながらプログラミングを学んでいます。

  • 小5男子の作品
  • ゲームの構成は、一から自分で考えた
  • 横スクロールのプラグラミング方法を学びながら、完成までがんばった作品

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